2013年2月16日土曜日

小津安二郎 生誕110年

今年は小津安二郎の生誕110年。
それを記念したイベントが各地で、というか世界各国で行われている。
http://www.shochiku.co.jp/ozu/


あれから10年。
生誕100年の記念イベントが大々的にNYのリンカーンセンターで
行われたのを思い出す。
それまで見たくても見られなかった「父ありき」「一人息子」
「若き日」を見に出かけた。とにかく感動した。

シンポジウムでは、佐藤忠男氏の講演も行われていた。
「小津安二郎の芸術」を何遍も読んでいたので、
嬉しくて講演後サインをもらうために声をかけたら、
とても感じよくサインしてくれた。

「こんなにボロボロにしてしまってすみません」と言ったら、

「ボロボロになるまで読み込んでいただいてありがとう」

というお言葉をいただいた。

今でも宝物だ。

佐藤忠男「小津安二郎の芸術」


小津安二郎の映画を初めて見たのは約20年前、晩春だった。

それから何度観たかわからないが一度として飽きたことがない。
なぜ飽きないのか....それが名作の証明だと思う。

若い時に見て感動したのに、暫くしてから見返すと
がっかりする作品も多々あるが、小津の作品にはそれがない。
見るたびに、ストーリー、カメラワーク、脚本、セリフ、映像デザイン、
すべての面で新しい発見と感動がある。
(一部の小津作品にはイマイチなものもあるが...。)
Donald Richieの名著"OZU"


ひとつ気になるのが、小津作品の多くを
共同執筆した脚本家野田高悟の研究は
あまりされていないことだ。
そのうちすばらしい研究書がでてくるのを心待ちにしている。


余談になるが、江戸時代の紀行文作家小津久足は小津の先祖らしい。


これまで小津以上に衝撃を受けた作家に出会っていない。生誕110年を機に、小津熱がさらに強くなりそうだ。T






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